<第9回> 
アルゼンチン・バリローチェの冬
森と湖と山に囲まれた「南米のスイス」
文/岩井加代子

 アルゼンチンのトレレウで動物ウオッチングを楽しみ、夕方発の夜行バスに乗り込む。さあ、これから優雅なリゾート気分を満喫するため、バリローチェヘ向かうぞ! ところが途中乗り換えたローカルバスは、野菜や肉などの食料品を積み込んだ“庶民の足”で、おまけにバリローチェまであと15キロ、というところで情けなくエンスト。運良く通 りかかったトラックに引っ張られ、ようやくガソリンを補給。目的地にやっと到着したときはすでに夜の6時をまわっていた。なんとバスの旅は丸1日もかかってしまったのだ! とにかく宿を探し、ホコリだらけの体を熱いシャワーで洗い流す。スイス料理として名高いチーズフォンデュを食べにレストランへ出向いた。ワインを片手に夕食を楽しむと、やっとリッチなリゾート地にいることを実感。

 そもそもバリローチェはパタゴニアの入り口に位 置し、南緯40度付近のこの辺りから、さらに南がパタゴニア一帯となる。パタゴニアには広大なバンパ(平原)、不毛の土地、氷河などの厳しい自然が広がっているが、ここバリローチェは、2000〜3000メートル級のなだらかなアンデスの山々が連なり、点在する澄んだ湖、豊かな森にあふれている。冬(7〜10月頃)はスキー客、夏は避暑客が訪れるところから、「南米のスイス」といわれている。クルーズ、キャンプ、釣り、トレッキングなどのアウトドアスポーツが体験できるのもバリローチェ滞在の魅力だろう。19世紀末に多くのスイス人が移民し、自然だけでなく、街並そのものもヨーロッパを思わせる。南米にいながら洗練されたヨーロッパのリゾートにいるような気持ちになれてしまうのだ。

 さて、翌日は近代的な双胴船に乗り、バリローチェの前に広がるアンデスの雪解け水から生まれたナウエル・ウアピ湖に浮かぶビクトリア島アラジャネスの森へ出かける。船が出発すると、陽気なツーリストたちの歌やおしゃべりで船内は一気に盛り上がる。大勢のカモメが私たちの乗った船についてきた。船のデッキに出て、手にしたクラッカーを高く差し出すと、カモメが近づいてきてパクリと食べる。わずか数十センチのカモメとの至近距離に感激! 間近に見るカモメは思った以上に大きい。雪を頂く山と湖をバックに、悠々と翼を広げて空を羽ばたくカモメの姿がフォトジェニックだ。
 船上で楽しいひとときを過ごし、アラジャネスの森に上陸した。ここはアラジャーネという「さるすべり」に似た木が密集した森で、ふつうは5メートルくらいまでしか大きくならない木が、ここではそれ以上の高さにまで育つ。ひんやりとした森の中は静寂の世界。巨大なアラジャーネの森の中の散策で、いつの間にか気持ちがゆっくりとリラックスしてきた。明るい肌色の木々がつくり出す森は幻想的だ。なにしろあのウオルト・ディズニーが、「バンビの森」の舞台をここからイメージしたというくらいだから。一方、ビクトリア島は糸杉や松をはじめとした常緑樹 が群生し、みずみずしさを感じる。アラジャネスの森とはまた違った景観を私に見せてくれた。バリローチェは一大リゾート地でありながら、ちょっぴり疲れた旅人の心をほっと和ませてくれる、そんな優しさを持つところなのだ。

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