<第12回> 
ペルー・ミニガラパゴス
遥か昔からの不思議な模様がどこまでも続く
文/岩井加代子

 ペルーといえば、アンデス地帯を制したインカ帝国、不思議なナスカの地上絵、謎の空中都市マチュピチュなど、有名な見所が満載の国だ。
 しかし意外に知られていないのが、“リトル・ガラパゴス”といわれるバジェスタス島
 なにしろペルーは大平洋に面し、南北約3000kmの海岸線を持つ。エクアドルのガラパゴス諸島ほどの規模はないけれど、雄大な海でオットセイや海鳥、ペンギンウオッチングを楽しめてしまうのだ。
 ペルーの首都、リマから南へ向かい約260km、海岸線沿いにこじんまりしたリゾート地のパラカスがある。ここがバジェスタス島への拠点になる街だ。  いよいよボートに乗りこみ、島を目指して出発!
 モーターボートは少しずつ速度を上げ、波頭をポンポンとジャンプしながら進んでいく。うっかり身を乗り出すと振り落とされそうなほどにスリル満点。突然、左手のパラカス半島の砂の斜面に、くっきりと描かれたカンデラブラ(スペイン語でロウソク立て)の巨大絵が見えた。まるでナスカの地上絵を思わせるスケール感。誰が、いつ、何のために作ったのか、ナスカ同様に不明のまま。海の動物たちに会いにきたのに神秘的な地上絵を見られるとは、なんだか得した気分。
 カンデラブラが見えるころ、海鳥の集団が騒がしく空を羽ばたく。右に左に、海にぽっかり浮かぶ岩が見えてくる。遠くから眺めた時はまったく気付かなかったが、なんと近付いてみたら、ちょこんとオットセイが気持ちよさそうに寝そべっているではないか!
 私と目が合うと、真ん丸の黒目もじーっとこちらを見つめている。水面から首だけのぞかせ、ボートの様子を伺う者もいる。動物園でしか彼らの姿を眺めたことがない私は、感激と興奮がいっぱい。やっぱり動物も大海原の自然の中にいるほうがのびのびとうれしそう。おかげで見ている自分もウキウキと楽しい。
 ボートの操縦士が前方を指差した。どうやらお目当てのバジェスタス島が見えてきたみたい。ごつごつした島には広い海岸線も見える。だんだんと海を泳ぐオットセイの数も増えた。もう島はすぐそこだ。「ウオーッ、ウオーッ」、「アオッ、アオッ」。そんな鳴き声が聞こえ始める。
 「まさか!」。
 遠くから見ていたときは海岸だと思っていたのに、その海岸の保護色のような体色のオットセイの集団だったとは!
 それも何百を超えそうな、半端じゃない大群だ。
 巨体をユサユサさせて態度もでかいオスもいれば、オスに比べて半分位の大きさのメスもいる。目を凝らして見ると、大人たちの間で潰されそうにチョコチョコ動き回る可愛らしいちびっ子オットセイも発見。よくオスに踏みつぶされて死んでしまう赤ちゃんも多いので、「大丈夫かな?」とハラハラドキドキ。
 残念ながら、動物たちの生態系を守るためにも島には上陸はできない。仮にできたとしても、何百ものオットセイ軍団が待つ海岸に足を踏み入れる勇気はないが……。

 心ゆくまでオットセイの様子を観察し、島を離れた。しばしの傍観者を見送ってくれるのか、それとも「じゃまだよ、早く帰ってくれ」と追い立てているのかわからないが、私たちのボートを追うように、オットセイが何頭も追ってきた。
 たくさんの海鳥、ペンギンたちも見かけたけれど、何と言ってもオットセイの迫力が圧倒的。バジェスタス島は見ごたえたっぷりの“リトル・ガラパゴス”だった。

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