ブラジルはパンタナールに魅せられて、90歳目前の現在も元気にブラジルへと旅行されている草柳様から、体験記と素晴らしい写真をいただきました。
今月と来月の2カ月に渡って掲載させていただきます。

ブラジルの秘境
パンタナールを訪ねてー3

草柳 貞 著

パンタナールの探訪
 パンタナールは雨期になるとパラグアイ河やその支流から水が溢れ、平原の半分ほどが冠水します。このパラグアイ河が押し流す細石・砂・泥が30メートルもの層を形成します。現在も僅かながら堆積が続き、1万年後には10メートルほど現在より高くなるだろうと言われています。全体的に乾燥化が進む中で、冠水しない大地は暫時森林化が逆に進行しているとのことです。

 通年、観光が可能ですが、雨季は高地以外はすべて冠水し、陸路はほとんど遮断され水路を利用することになります。乾季は6月から10月頃までで、雨期に冠水した湿原は上流から暫時水が引き、南部の下流地帯に達します。
 パンタナールの大自然は、まさにこの雨季と乾季によって育まれます。
 乾季になると平原には様々な形の池沼が残り、さらに池の水が蒸発して池が小さくなるため塩分が濃くなります。こうした塩のある場所に野生動物や放牧の牛が塩をなめに集まります。水中ではプランクトンが増殖し、たくさんの魚が繁殖し世界で類を見ない生物が生息する地域となっているのです。
 乾季は動物たちの繁殖期で、水辺に一大コロニーが誕生します。そしてそれを狙うワニたちが浜辺に数知れず屯しています。私が訪れた時期は、動物たちの繁殖期の頃であったのです。
 パンタナールを訪れてまず度肝を抜かれることは、水鳥たちの群生するビベイロ(集団営巣地)の光景です。私が訪れたパンタナール北部(上流)のビベイロの規模はパンタナール最大で、推定数万羽のコウノトリ系のカベッサ・セッカ、ベニヘラサギ、シラサギが一同に会している様はまさに圧巻。思わず大自然の生命の営みと壮大さに絶句します。
 しかし、この大自然の生地で、日本人が鉄砲をぶっ放したり、ヘリコプターで営巣地をテレビ撮影したTV局があり、現地ではひんしゅくを買っているそうです。鳥たちが鉄砲や縁の轟音に驚き慌てふためいて逃げまどう様は壮観であり迫力満点の写真になるでしょうが、これは絶対にしてはならないことでしょう。

 パンタナールの動植物の種類は、野生動物約80種、野鳥約650種、淡水魚240種と大アマゾンをはるかにしのぐ野生の王国で、自然の生態系を維持する世界的に希少な地域、言い方を変えれば弱肉強食の世界でもあるのです(中隅哲朗著・パンタナールを参考)。
 この湿原の外縁部とアマゾンを結ぶ舗装道路が完成し、人跡未踏の秘境の地に容易に人が入れるようになりました。ブラジル政府は自然保護政策をとりながら、一方では道路などの観光施設の整備を推進しています。開発と自然保護という両立しない矛盾を抱え、ブラジル政府も大きな悩みを抱えているのではないでしょうか。

 パンタナールの一週間はあっという間に過ぎました。この間、ガイドの嵐田さんと生活を共にしましたが、夜はピラニアの刺身、煮魚、米飯、パン食なんでも有りで、ピンガーという酒やビールを心ゆくまで飲み交わしながら日本の話や魚の話やパンタナールの話は尽きませんでした。
  ある夜、「南十字星を見たい」と私が言いますと、嵐田さんはホテル裏の牧場に私を案内してくれました。  大陸の乾燥した無限の天空に煌めく星の数々、その中でひときわ大きく輝く南十字星、吸い込まれるような透明な夜の世界。日本ではとても体験できない感動的瞬間でした。
 人はいつか死を迎える。その時の苦しみや身内の悲しみを思うと切ない。そして死を漫然と待っているのも辛い。自分はあの天体の星のどこかに行くのだと信じれば心も安まる。そんな気持ちを抱きながら私は夜空を仰いでいたのです。

 短い期間でしたが、外人のホテル経営者やガイドの嵐田さん大変お世話になりました。私の人生にまたまた財産と言うべき貴重な体験が増えました。
 私の座右の銘は「一期一会」。会う人毎に感謝の気持ちを持つことで、「また、お会いしましょう」と言うものの、別れる時は何故か感傷的になります
。  90才になろうとする私は心身共に健在です。もう一度ドラード釣りと動物たちや南十字星を眺めにパンタナールを訪れようと心に近いながら日本に帰りました。

ブラジル豆知識

正式な国名は「ブラジル連邦共和国」
 国土は日本の約23倍、人口は1億6千万人、言語はポルトガル語で、南米大陸の約半分の面積を有し、移民政策により白人、混血、黒人、黄色人のさまざまな人種が住み着いています。    1500年にポルトガル人が漂着し、先住民を制してポルトガル領を宣言。
 1889年の無血クーデターにより独立し、共和制になりました。その後の移民政策によりブラジルの人口は増えましたが、当初の移民は、母国と同緯度(北緯と南緯の違いはある)のところに住み着き、それぞれの国の文化を今日まで継承しました。そのため、日系人はサンパウロ、ドイツ人は南部、黒人は北部に多いのです。

 広大な国土を有するブラジルの気候は北部と南部の差が激しく、雨季と乾季に大別されています。亜熱帯地域のサンパウロは高地都市のため気温が温暖で、日本の夏にあたる時期のサンパウロは東京の12月の気候です。しかし、北部のアマゾン地域は1年中雨の多い熱帯地です。

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