私が思うに、ブラジル国産のアニメは本当に少ないです。そのため、古くはウルトラマン、鉄腕アトムから始まりポケモンなど、いつも日本のアニメはブラジルに輸入されて来ました。そして最近では、ドラゴンボール、ポケモン、DIGIMONN、カードキャプターさくらをはじめ、テレビのアニメ番組の中に占める日本の作品の割合が急増しています。輸入されるアニメの半分は日本のものといってもいいと思います。そして、アニメだけではなく、完全にポルトガル語に訳してある日本製漫画もずらーっと揃っているからオドロキ!
書店や、Banca de Jornal と呼ばれる、新聞や雑誌を主に売っている街角の売店などには、日本製漫画のポルトガル語に訳したもの、またアニメファンの為の専門雑誌まで売っています。
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そこで今回私は、日本の漫画やアニメに魅了されたブラジル青年たちのファンクラブ、“漫画の神殿”の皆さんの集会にお邪魔してみました。16歳から19歳ぐらいの高校生たちで結成された“漫画の神殿”は、週に一回、土曜日に集会をもっているとのこと。会長のMatheus(マテウス)君は、漫画歴5年、なかなかのものですよ。こちらでまず美大を出て、将来は日本で本格的にアニメの勉強をしたいと、とっても意欲的。でも、他のみんなは漫画は趣味でやっているようです。 みんな、これから大学に入って勉強を頑張ろうという健康的な青年達。イタリア人系のDanielle(ダニエリ)さんは、心理学、Anna(アンナ)さんは獣医を志しているそうです。そして、みんな日本語を勉強しているというからまたオドロキ!・・・みんな日本についてすごくよく知っているんですよ。
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彼らが漫画やアニメに興味を持ったのは、他のものとスタイルが違っていたからということです。例えば、アメリカや国産のアニメに比べて日本のアニメは絵柄がすごく美しくできていること。特に、目が異様に大きいことがポイントのようです。劇画的なアメリカのアニメや漫画と比較すると、より非現実的に美化された日本のアニメは確実にブラジルでの地位を築きつつ有ります。
また、使われる題材が異国的であることもその理由のひとつらしいです。例えばドラゴンボールは全てのシリーズが放映されていますが、その人気の理由はキャラクターの服装や背景が中国的だからと思います。ブラジルにはない「東洋的」な雰囲気がいいのかもしれません。そのほか、ストーリーの背景や舞台とは関係ありませんが、digimonなどで、モンスターの名前がそのままカタカナで画面に出てくるのが面白い、というのもあるようです。
今後は、どんなアニメがブラジルにやってくるか楽しみです。 |
◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇
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久枝・高橋・サントス
音大卒業後、ピアノ教師に。
結婚を機に12年前にブラジルに渡る。
現在は、サルバドールの海沿いに暮らし、ピアノや歌を教えている。 |
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