住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
ブラジルの二大悪魔を観光制覇!
 ブラジルの二大悪魔をご存知ですか?

 悪魔といっても「あくまでも」観光悪魔。
 より有名なのが「悪魔のノド 」(GARGANTA DO DIABO)。そう、あのイグアスーの滝のメインスポットです。

洞内の鍾乳石は、それぞれが
ライトアップされている。
 もう1匹の悪魔は、サンパウロ州の奥地に潜んでいました。
 その名は 「悪魔の洞窟 」(CAVERNA DO DIABO)。サンパウロ州最大の鍾乳洞です。
 これまで確認されている洞窟の長さは、およそ3200メートル。そのうち約400メートルが観光用に開放されています。ルートに沿って照明はもとより、歩道・階段・手すりなどが整備されているため、子供からお年寄りまで軽装で気軽に悪魔制覇を楽しむことができます。

 場所はサンパウロ市から西に約280キロ、その名もエルドラード(黄金郷)郡のジャクピランガ州立公園内。道中には大西洋海岸森林と呼ばれる熱帯雨林地帯が広がり、ヨーロッパ人による発見・開発以前の新大陸の姿をしのぶことができます。エルドラードに近づくと、一面のバナナ畑。黄金郷の黄金の正体はバナナだったのかと思うくらい。

 悪魔の洞窟は、公式には20世紀の始めにドイツ人の博物学者に発見されたことになっています。しかし現地人には、はるか以前から知られていました。このあたりはキロンボと呼ばれる、大農場などから逃亡した黒人奴隷たちの隠れ里だったのです。

迫力の鍾乳石カテドラル。
  なぜ「悪魔」とまで称されるようになったかにはいくつかのミステリアスな説があります。
 私のガイドをしてくれたキロンボ出身の青年は、こんな話をしてくれました。村の作物を洞窟の中に貯蔵しておいたところ、ある日、跡形もなくなってしまった。ある時は洞窟の奥に不気味な火が見えた。・・・こうした怪現象が続いて、悪魔の仕業といわれるようになったというわけです。

 名前こそおどろおどろしいものの、洞内はよく整備されていて、私の暗所恐怖症の息子も、日本から遊びに来た70代半ばの私の母親も楽々にまわることができました。
 5億年前の先カンブリア期に始まったという鍾乳洞のさまざまな造形は、あっぱれのひとこと。日本でも鍾乳洞の自然の造形に、さまざまな名前がつけられていたのを思い出します。こちらは連想とネーミングがいかにもブラジル的で、キリスト教などの影響がうかがえるのが面白いところ。
 カテドラル、洗礼盤、東方の三賢人など・・・白雪姫にピザの斜塔なんてのもありました。

 私が家族連れで悪魔の洞窟を訪ねたのは、年末年始の休暇の時期でした。  南半球のこちらは夏盛り、海岸の観光地に向かう道路は通常のサンパウロ市内をはるかにしのぐ大渋滞。いっぽうこちらは道路も快適ながら、心細くなるほどガランガランでした。
 人ごみの海岸で灼熱の太陽を浴びるのもいいけど、地球の歴史、キロンボの秘史などに思いをはせながら、地の底の冷気でしばし頭を冷やすのも、ブラジルの一味違った夏の楽しみ方だと発見しました。
洞内はよく整備されており、子供からお年寄りまで軽装で気軽に観光できる。
広い鍾乳洞内は、歩道・階段・手すりなどが整備されている。 ヘッドライトがあると両手が空いて
ちょっと便利。

◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

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