住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
ブラジルの古代遺跡!
セラ・ダ・カピバラ国立公園の岩絵(ピアウイ州)。朱や白の顔料を使って動物や人間が重ね描きされている。
 えっ、ブラジルの古代遺跡ですって?
これは一部の「通」の人にしか知られていません。実はブラジルは世界でも有数の岩絵遺跡の宝庫なのです。

 岩絵とは、先住民が岩壁に顔料を塗ったり、彫刻をしたりして残した絵画類です。

 描かれている絵柄は、人物や動物などから意味不明の抽象的な模様まで実にバラエティに富んでいます。地域的にそれぞれ特色が見られますが、北はアマゾン流域から、ノルデステ(北東地方)の乾燥地帯、そしてブラジル南部まで、幅広く分布しています。

 私は日本で学生時代に考古学を専攻していましたので、ブラジルに移住してからは知られざる岩絵遺跡の数々にすっかり魅せられてしまいました。

 普通は古代の遺跡といっても石造りの巨大な建造物でもない限り、地中に埋もれていることがほとんどで、その全貌を知るためには発掘調査をしなければなりません。しかし岩絵遺跡の場合は、その場所にさえ行けばズバリこの目で見ることができるのです。

アマゾン北部(パラ州)の岩壁に彫られた人物像と地元の少年たち。
 そもそも遺跡から発掘された石器などを見るだけで古代人の生活に思いを馳せるのは、なかなかむずかしいことです。ある家庭にある包丁と金槌(かなづち)を見て、使っている人の暮らしを想像しろというようなものですから・・・。

 いっぽう岩絵の方は、美術のジャンルで研究されることもあるアートです。
 古代人が、他人に見られること・伝えることを意識して、狩猟や踊りなどの生活の中の重要なシーン、さらに天文や神話などを描いたものですから、それを見ることで即、彼らの生活、そして精神まで探ることができます。

 しかも広大なブラジルには、未発見・未発表の岩絵遺跡がウジョウジョとあるのです。新発見の喜びというのは格別なものがあり、私も一時はだいぶハマっていたものでした。しかしカネもかかるし、きりがないのでほどほどにすることにしました。

 観光旅行でアクセスできる有名な岩絵遺跡としては、UNESCO(ユネスコ)の世界遺産にも登録されているブラジル北東部、ピアウイ州のセラ・ダ・カピバラ国立公園があります。

 乾燥地帯の岩山に描かれた数千年前の岩絵の数々は、見るものを圧倒します。専門家も悲鳴を上げるほどの量の岩絵群!

マットグロッソ州奥地で発見。岩壁一面に人面や幾何学模様が彫り込まれている。
 さて先日まで私はドキュメンタリー作品の仕上げのため、訪日していました。

 考古学青年の前には怪獣少年だった私は、ブラジルで待つ息子に怪獣グッズを買うのを口実としてゴジラ映画シリーズの最新・最終作「ゴジラ FINAL WARS」を見に行ったのです。
 モスラの棲むインファント島の洞窟のシーンでビックリ!

 モスラとガイガンの決闘場面の描かれた岩面の下に、セラ・ダ・カピバラにある2人の人物が向かい合って踊る岩絵があるではありませんか!

 岩絵を描いた数千年前のインディオには著作権は存在しないでしょうが、ブラジルの岩絵は、世界に誇る日本の怪獣映画にまで影響を与えるとは!

 私の他に、こんなことに気づく人はおそらくいないでしょうね・・・。

◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

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