住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
プライアの季節
海岸を望む山頂から。前方の山は環境保護区域
 日本で長年、働いてようやくブラジルに戻る日系ブラジル人。彼らが祖国に帰って、まず最初に行きたいところはどこでしょう?
 そう、多くの人たちが「プライア!(海岸)」と叫ぶはずです。しかし、そこは広くて多様なブラジルのこと。なかには内陸で生まれ育って、日本に来て初めて海水浴をした、という人も少なくないのですが。

 ブラジルの国土の東側は7000キロ以上にもおよぶ大西洋の海岸線。海水浴スポットが目白押しです。その他、アマゾン河などでは「河水浴場」の有名な観光スポットもあります。

 我がサンパウロからですと、最も近いサントスの海岸まで自動車で約1時間。サントスから南に行っても北に行っても、海水浴場が続いています。
 いきおい、連休ともなればパウリスターノ(サンパウロっ子)はプライアを目指します。ましてや日本の冬は、ブラジルの夏!
 この年末年始にサンパウロを脱出した車の数は、およそ140万台。そのうち半数以上は海へ! 大西洋への街道はふだんの町なか以上の大渋滞、それでもプライアを目指すブラジル人。そんなに海岸がいいの?

 かくいう私、日常のサンパウロの混雑ぶりにウンザリしていますので、夏場の家族旅行は山間のリゾートと決めていました。しかし行ってみないことには批判もできんだろう、と数年前に夏場の海水浴場に行ってみました。これが病みつきに!それ以来、夏に冬に穴場探しを続け、ようやく距離的にも経費的にも納得のいく海岸に出会いました。

ペルイベの海岸。真夏の休暇シーズンでもこの程度の人出
 サントスの南、サンパウロから車で2時間程度のペルイベという町付近です。ここより南は環境保護区になっており、道路も普通の乗用車でアクセスできる限界といったところです。沖合いに小島を望み、背後には海岸山脈の濃い緑が間近に迫ります。今回の宿は大西洋を眼下に望む山の中腹にあり、標高約200メートル、潮騒の音と亜熱帯の鳥・虫の鳴き声をステレオで楽しめました。

 日系人の生産のおかげでブラジルでも安く買えるゴザを抱えて、あまり日差しの強くならないうちに海岸へ。町の人間の悲しさでドロボーが気になり、海岸にある売店の店員の眼が届くあたりに落ち着きます。

 そして最大の楽しみはバチーダ!ピンガ(サトウキビ製の焼酎)ウオッカにパイナップル、ココナッツウオーター、パッションフルーツなどお好みのトロピカルフルーツとコンデンスミルクを加えたカクテルです。
 南回帰線直下の陽射しと大西洋の潮風を浴びながら、冷え冷えで甘美なバチーダをすする時、ややこしいことは忘れてこの上なくブラジルに来てよかった、と全身で感じるのです。

 テレビも電話もインターネットも断った数日間の旅を終えて、ペルイベの町に立ち寄りました。新聞スタンドで目に入ったのが、スマトラ沖の大津波。10メートルの高波が襲い、陸地を何キロも奥まで・・・。もしブラジルの海岸山脈のような高地が海辺にあったら、だいぶ被害は違ったことでしょう。
 東南アジアの各地に暮らす知人・友人を思いながら、複雑な気持ちでブラジルのプライアを後にしました。

◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

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