住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
サンタの隠れ家の旅
7月。サンパウロの大半の学校は、まる1カ月の休みに入ります。季節は冬、朝晩の気温は摂氏10度近くまで下がることも。
 オヤジばかりがフラフラと旅をしてばかりじゃ申し訳がない、さあ家族旅行へ! とは言っても、近場の海岸は冷たいだろうし、北東ブラジルの常夏の海岸地帯まで行く飛行機代はなし。
 さあどうするか。

ペネードの入り口のショッピングモール。
巨大リスがお出迎え。
 ここで発想を転換、寒い時の寒いところなりのバカンスをブラジルで試してみることにしました。
 当地のガイドブックとサイトから狙いをつけたのは、ペネード(PENEDO)
 サンパウロ州とリオデジャネイロ州の境にある山峡の地です。もとはフィンランド移民の拓いた移住地で、さまざまな北欧料理が味わえ、サンタクロースの「公認」避暑地などというなんだかバカバカしそうなものまであるというではありませんか。家族をうまく言い含めて、車を走らせました。

 サンパウロとリオを結ぶドゥットラ街道でリオ州に入り、北に折れるとペネードです。北欧風の作りのお店やホテルが並び、あのトロピカル・ビーチの続くリオデジャネイロ市と同じ州だというのが不思議です。

町には何軒もチョコレート専門店が。
種類が多すぎて悩みます。
 ペネードの宿泊施設は、ホテル、ペンション、民宿など約50件。多くの宿がサウナ付き北欧料理が味わえ、サンタクロースの「公認」避暑地です。さすがサウナの故郷、フィンランドの移民の拓いた場所。岡村ファミリーの泊まった宿は、自家製サウナがありました。オーナー自らが薪をくべて、「熱加減」を調整してくれます。入浴者は釜の上を覆う熱した川原石に水を掛けて、蒸気を自分の好みに合わせて発生させるという、まさしく手作りサウナ。

 街には自家製チョコレートの即売店が並んでいます。チョコレート作りの見学が可能で、バラエティあふれる製品の量り売りをしています。オススメはカカオとミルクが濃厚なホットチョコレート。冬の最低気温7度というペネードですが、サウナとホットチョコレートで、もうホッカホカになってしまいます。

 北欧料理を中心とした多くのレストランがあり、食のチョイスも楽しみです。子供たちはチーズとチョコレートのフォンデュに大喜びでした。私は付近で養殖されているニジマスの燻製に感激しました。これだけ食べにまた行ってもいいくらい。うまし!

これがフィンランド政府公認・サンタの別荘。
 サンタクロースの公認避暑の家は、リトル・フィンランドと呼ばれるフィンランドの町並みを模した商店街のなかの広場にありました。この家は伝統的なフィンランド文化の建築様式を伝え、かつての家具類も保存していることから、ホントにフィンランド政府から「公認」されていたのです。なかには、もちろんサンタさんが伝統衣装で・・・。

 フィンランド移民がペネードに入植したのが1929年。奇しくも日本移民が最初にアマゾンの移住地に入ったのと同じ年です。ペネードではサウナやサンタクロースといったフィンランドの伝統文化がブラジルの冬をいろどり、ますます多くの観光客を集めています。

ブラジルの山中で避暑中のサンタと独占会見。
 いっぽう、かつては日本人街そのものだったサンパウロの東洋人街・リベルダーデの多くは、すでに中国系・韓国系の手にわたってしまいました。

 ブラジル各地に散在する日系移住地が、過疎化、ブラジル化を嘆くばかりでなく、このペネードのように祖国の伝統文化を目玉としたリゾートとして再生することを、手作りサウナの蒸気のなかで夢想しました。五右衛門風呂やドラム缶風呂も悪くないぞ!


◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

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