住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
アニメとマンガが大爆発!!
 イヤハヤ心底ぶったまげました。日本のアニメやマンガが、これほどブラジルの若者たちに慕われているとは!

3日間で2万5千人の人出でにぎわった会場
 アニメとマンガのファンの集い「アニメドリームズ2006」
 サンパウロ市内のマンモス学校アルキディオセザノ学院の校舎を借り切って、3日間にわたって繰り広げられました。今年の来場者は2万5千人、北はアマゾンから南はアルゼンチン国境まで、ブラジル全国からアニメ・マンガのオタクが集ったのです。

 日本でいえば中学1年生のわが娘は、日本の忍者マンガ「ナルト」の大ファン。
 クールな少年忍者・サスケの衣装をまとった娘の保護者ということで、この大イベントに挑んでみました。「となりのトトロ」の帽子をかぶって・・・。入場券売り場まで長蛇の列につくこと一時間強、列のうちから周囲はお祭り気分。

 会場内は異様な熱気があふれ返っていました。人気キャラクターに扮したいわゆるコスプレの若者たちが、そこかしこに。「ナルト」「犬夜叉」「セーラームーン」・・・日本「原産」のキャラが大半ですが、なかには「ハリー・ポッター」「スター・ウオ—ズ」系なども。

ビデオゲームの人気
キャラ・スーパーマリオのコスプレ
ブラジル人にはサムライ姿がキマる エキゾチック!
セーラー服のブラジル娘


 ブラジルのアニメ・マンガブームは世界最大の規模を誇るブラジル日系社会を通り越して、完全に一般の若者文化のなかに根付いていたのです。
 今回の入場者も8割以上が非・日系人の若者たち。そして不思議なくらい、日本のアニメのキャラのスタイルが、非・日系ブラジル人たちに決まっているのです。特にサムライ姿にセーラー服!

夢はマンガ家!
リオから来たファビオ君
 会場では各種の催し物が同時に開催されています。まずはコスプレ・コンテスト。様々なキャラに扮した個人やグループがステージで寸劇を演じます。
 そして人気ビデオゲームの大型スクリーン上での公開対決。さらに「ポケモン」や「遊戯王」のカードの対決。いずれも10代後半から20代前半の若者たちが中心。

 自主制作のマンガを販売するスタンドも並んでいます。「大好きなマンガは『子連れ狼』、マンガ好きが高じて日本語を学んで三年。将来の夢はもちろんマンガ家!」リオから来た16歳のファビオ君は語ります。

アニメ主題歌で盛り上がるアニメケ会場
 最も驚いたのは「アニメケ・コンテスト」でした。アニメの主題歌のカラオケです。
 昨今の日本のアニメの主題歌はガチャガチャと激しいビートでやたらに英語まで混じり、「オリジナル」を聞いても私のようなネイティブな日本人でも歌詞を聞き取ることができません。そんな日本語の歌を、コスプレ姿のブラジル人が場内の若者たちと一緒に熱唱しているではありませんか!

 おそらく作者たちも知らないような場所と形での大ブレイク。文化の伝播とは、「文化」と名のつくお役所や団体の存在や思惑など関係のないダイナミックなものだということを体感しました。

 こうした大ブレイクの背景を探ると、やはりブラジルの日系社会の存在があるといえそうです。
 日本からの移住者が持参したり、取り寄せたマンガ雑誌で日本語を学んだ日系2世・3世は少なくありません。そして今日も数件残るサンパウロの日本書籍専門店は、マンガオタクたちにとっては異国の文化の最先端をもたらす長崎・出島のような存在であり続けています。

 そうした土壌のもとに、ブラジルのテレビで「聖闘士星矢」(1994年放送)や「ドラゴンボールZ」(2000年から現在も放送中)などの日本産アニメが放送されて異常な高視聴率を獲得、アニメとマンガの大ブームとなりました。
 現在はインターネットの高速回線の普及により、日本で放送されたアニメがあっという間にポルトガル語版の字幕付きでダウンロードできる世の中になりました。

 ブラジルに来てこちらの若者たちと親しく話をしたいのなら、付け焼刃でブラジル文化や日本の伝統文化をかじってくるより、「ナルト」や「鋼の錬金術師」のような日本の人気アニメをまじめに「勉強」してきた方がいいかもしれません。


◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

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