住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
アマゾンの少年時代
 現在、ブラジルと日本の各地で長さ5時間15分!という拙作ドキュメンタリー「アマゾンの読経」の自主上映会が続けられています。

 今年は主人公の日本海外移住家族会連合会・初代事務局長の藤川辰雄さんが、アマゾンで謎の死を遂げて20周年。私は作品完成後に取材した新事実を元に、近日中に「アマゾンの読経」改訂版を完成させるつもりです。

アマゾン本流に向かう島さん一家
 昨年、アマゾン最大の都市で作品にも縁の深いマナウスの日系諸団体の主催で「アマゾンの読経」の現地上映会が開かれ、私も現地に招かれました。
仕掛け人は30代にしてマナウスの老舗日系旅行社・ATSツールの社長を襲名した島準さんです。

 こんな旅行社が欲しかった! いわば旅のプロでもある私をして、そう言わしめるほどのアテンドをしていただきました。
飛行機の便から滞在中の食事まで、心憎いまでにこちらの意を汲んで、かゆいところを掻いてくれます。
残念ながらデタラメな旅行社に不愉快な思いをさせられることが少なくないだけに、今回は旅行社のあるべき姿、そして旅行者がリピートしたくなる旅の原点を学ぶことができました。

 マナウス滞在中、島さんはATSツールが共同経営をするアマゾン河本流沿いのリゾートペンション、アマゾンリバーサイドホテルに日帰りのツアーを組んでくれました。この宿にはオープン当時に滞在していますが、フィールド好きの私としては何度でも通って熱帯林に潜む虫たちを観察したかったのです。

ホテル近くのミステリースポットに立つ島夫妻。なぜか髪の毛が逆立つのです
 日帰りツアーには、島夫人の貴子さんとふたりのご子息も同行。ヤング社長の家族サービスも兼ねることになりました。
島準さんは東京生まれの東京育ち。ペルーの古代文化への漠然とした憧れから南米を志向します。大学は、すべり止めに受けたポルトガル語学科に合格。在学中に「働きながら、学ぶ」がウリの日本ブラジル交流協会の研修留学に応募しました。貴子さんはこの協会の後輩です。
アマゾンの旅行業界はまだまだ未開であり、自分を必要とされているのを感じて島さんはライフワークに選んだと言います。

先住民の住居を模したアマゾンリバーサイドホテルの船着場付近
 モーターボートで本流沿いのホテルを目指します。アマゾンで生まれた勇吾くん(5歳)と将吾くん(3歳)が歓声を上げます。若社長もジュニアをひざに抱いて、父子の至福の時間。
 子供たちの会話は、日本語。おお、この子たちは世界中の人たちの憧れるアマゾンで少年時代を過ごしているのです。私のように日本のテレビの都合で視聴率稼ぎにアマゾンに派遣されてミイラ取りがミイラになったり、大学の滑り止めが高じてアマゾンに住まうようになった若社長といった動機不純なオトナたちとは違い、誕生から大アマゾンに祝福されているのです。
そして、一年中が夏休みの世界!

注意!野生のワニの子にはお手を触れないように! 人馴れしたサルの歓迎を受ける若社長
 リバーサイドホテルに到着した少年たちは、さっそく宿で飼育しているメガネカイマンの子どもを手にとって遊び始めます。多くの日本の子どもたち、いや、サンパウロの我が子も家のなかに閉じこもって怪獣のソフビ人形で遊んでいるのを思い出して、複雑な思いです。

 貴子さんが里帰りの際に子供たちを日本に連れて行った時、長男の体中がアトピー性皮膚炎のようになってしまったものの、マナウスに戻ったらすっかりよくなったといいます。マナウスは大都市とはいえ、周囲からの濃厚な自然を感じるとか。

 アマゾンの大地の中で狩猟採集をしながら豊かに暮らしてきた先住民たちと同様、料理や掃除といった家事もおろそかにしない大人になってもらいたい、というのが子供たちへの母親としての願いだと言います。
父親の準さんは、いずれ子供たちがアマゾンを離れようとも、自分はマナウスの出身です、と誇りを持って言えるような少年時代を過ごさせてあげたい、と語ります。

 私の方は、そんな少年たちが大きくなった時にも見るに耐えるような作品を小品ながらもつくり続けたい、と思いを新たにしました。

◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

ブラジルに渡ったドキュメンタリー屋さん 岡村淳のオフレコ日記 にて、毎日更新中。

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