住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
終着は、移民駅
サンパウロの地下鉄散策
オープン間もないイミグランテス駅のホーム
 今年の3月30日、サンパウロの地下鉄(メトロ)が新たに路線を延ばしました。
 現在、営業中の地下鉄4線は路線ごとに色で呼ばれています。今回、延長されたのは、パウリスタ大通りの下を走るリーニャ・ベルジ(緑線)、東に路線を伸ばして新たにオープンしたのはその名もエスタソン・イミグランテス、移民駅です。

 サンパウロの地下鉄の総距離は60.5キロになりました。1日の利用者数は250万人。
 すでに市民の足として欠かせない存在のメトロがサンパウロに開通したのは、1974年、南北線とも呼ばれるリーニャ・アズール(青線)のジャバクアラ−ビラ・マリアナ間でした。東京に初めて地下鉄がお目見えしたのに遅れること、47年。
 しかし建設に当たってドイツ系の企業の参入により、当時の最先端の技術が導入されました。
 車両も構内も整然とした近未来的な雰囲気は、映画「蜘蛛女のキス」(1985年制作)のロケ地としても登場しています。

 さて、初心者のためのサンパウロのメトロ乗り方案内。
 まずは各駅にある切符売り場で切符を買います。1回の乗車券(ウニタリオ)は均一料金で2.1レアイス(約115円)、1枚で10回分の回数券(ムウチプオ・デイス)は20レアイス。
 時間によって売り場は長蛇の列となりますので、何度か使用しそうな場合は回数券を買っておくのがお勧めです。

 改札は自動改札機で。日本との大きな違いは、まだ使用回数の残っている切符以外は改札口に入った時に、機械に回収されてしまうことです。リベルダージ駅あたりで切符が出てこない、とパニック状態になっている日本人観光客を時々見かけますが、ご安心を。改札口を出る時には切符は不要、金属の回転バーを押して出るだけでOKです。

 こちらのメトロには時刻表はありません。
 各線とも運行時間は午前5時前から午前0時過ぎまで、日中なら2−3分ごとに列車がやってきます。
 車内で日本と違うことは、吊り革がないことです。座席にありつけない場合は、急停車に備えて近くの手すりを握っていた方が無難でしょう。日本人には物足りないほど、吊り広告を始めとする広告尽しもなく、しばしば車内に「一日250万人の利用するメトロに広告を出しましょう!」などという宣伝を見かけるほど。

 サンパウロのメトロのユニークなのは、駅そのものをカルチャー空間として提供すると同時に、意欲的なイベントを常に行なっていることでしょう。
 駅構内での芸術作品の展示や音楽コンサートなどは、常に公募しています。

形象埴輪のような陶器アート群 地下鉄の乗客がそのままアートに。
アナ・ローザ駅にて
「地下鉄アート」の案内図が
路線の随所に

 「アルチ・ノ・メトロ(地下鉄アート)」という常設の現代アートの展示もあります。例えば東洋人街として知られるリベルダージ駅なら日系のアーチストの作品を採用するなど、各駅の特長を生かした演出が憎いところ。
 筆者のお気に入りは、アナ・ローザ駅の陶器群。地下に並んだ素焼きのオブジェの数々は、日本の古墳の形象埴輪をほうふつさせます。

 さて、オープン間もないイミグランテス駅まで、さっそく試乗してみました。
 途中に建設中の駅もあって、車内に生コンクリートの香りが。生まれたばかりの駅は地上駅で、日本の大都市近郊のベッドタウンに新しくできた駅のイメージです。

イミグランテス駅構内の地下鉄工事の水彩画展
 構内で特別展が開かれていました!! これには目を見張りました。女性の水彩画家が、地下鉄新線の工事のプロセスを、アートとして描き続けた作品群でした。

 さすがは、空き缶やバケツでもサンバの楽器にしてしまうブラジル人。
 暗闇と泥と鉄筋とコンクリートの地下鉄工事現場を、ユニークかつ見事な作品として表現しています。

 サンパウロのメトロには、こんな遊びが各所に散りばめられているのでした。


◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。

ブラジルに渡ったドキュメンタリー屋さん 岡村淳のオフレコ日記 にて、毎日更新中。

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