住めばブラジル
日本からブラジルに移住され、ブラジルの社会・環境問題、移民の記録などを録り続けていらっしゃる映像作家の岡村淳氏の「住めばブラジル」。様々な視点からコラムを書いてくださいました。
ポルトガル語・2億人のミュージアム誕生
ルース駅の構内。巨大な禁煙マークが。
 ブラジルに来たら、イヤでも洗礼を受けなければならないのが、公用語のポルトガル語です。まずは飛行機のアナウンスで、そして空港で。
 そんなポルトガル語をテーマとした博物館が、サンパウロのセントロ(ダウンタウン)に今年3月、オープンしました。

 場所はサンパウロのセントラル・ステーション、ルース駅。一日20万人もの乗客の利用する現役の駅舎のなかに、ポルトガル語博物館が築かれたのです。
 日本で言えば、東京駅に日本語博物館がオープンしたようなもの。まずはお手並み拝見、と訪ねてみました。

 さて、そもそもポルトガル語とは、どんな言葉でしょう?
 現在、地球上でポルトガル語を主要言語とする人は2億人。使用者数の順位は世界で第8位、われらが日本語は第9位で負けています。
  日本語の場合は日本列島の外ではぐーんと使用者の数が下がって、日本国外では世界最大の日本人移民の受入国、ブラジルに10万人近い使用者がいます。

 いっぽうポルトガル語はヨーロッパの本国ポルトガルに始まって、南米ブラジル、アフリカの数ヶ国、そしてはるかアジアのマカオに東チモールで使用されています。
 
 まさしく、大航海時代の生きている遺産。

 日本にもこの時代に「南蛮文化」として伝わったカルタ金平糖襦袢(じゅばん)シャボンなどのポルトガル語起源の言葉が今日も使われているのは、ご承知のとおりです。

 ちなみに、わずかですが当時、日本からポルトガルに伝わり、今でも使われている言葉も。「biombo」です。なんだかわかりますか? これは「屏風」のことでした。


博物館の入口。若者たちで賑わう。
 さあ、博物館に入りましょう。
 月曜から金曜まで、午前10時から午後6時までオープン。入場料は大人が4レアイス(約220円)。※ 2006年8月現在

 驚きました。

展示とモニターでポルトガル語の歴史を解説。
 平日の午後、訪問者は小中学校の課外授業の集団ぐらいかと思いきや、若者たちで賑わっています。大学生や企業研修などのグループが主ですが、博物館というよりイベント見学のノリです。

 最上階の3階に向かうエレベーターに乗ると、さっそくポルトガル語の歌が聞こえてきます。

  駅舎の屋根裏が、そのまま3Dのシアターとして利用されていました。著名人たちの読上げるポルトガル語のフレーズとイメージ映像が映し出されます。ポルトガル語をまるで理解しない人は、この言葉の音楽的響きを楽しんでもらうか、その国の言葉の大切さを思い知っていただくことになるでしょう。

106メートルの超横長スクリーン。カーニバル用語の映像解説。 ポルトガル語のサッカー用語を映像で解説。「FETEBOL」はサッカーのこと。
 2階の半面の壁は、駅舎のプラットフォームの巨大なウナギの寝床形のスペースを活用した長さ106メートルものマルチスクリーンになっていました。ここにカーニバルやサッカーなどで用いられるポルトガル語の単語がイメージ映像と文字、音声で説明されます。暗がりに腰掛けて、若いカップルたちが愛をポルトガル語で語り合い、行為で現わし合っているあたりがこの国らしいところ。


インディオの言葉をモニターで聞く。
 反対側ではポルトガル語の歴史がパネルとモニターで解説されています。その中央には、ブラジルで用いられているインディオの各言語やアフリカ系の言葉などを、いくつかのモニターを見ながら視聴することができます。

ガラクタのあちこちにポルトガル語が・・・。
 1階は、言葉の遊園地。レンガ塀や廃材、ドラム缶の中などにさまざまなポルトガル語が書かれているのを発見していく空間です。いい大人たちが文字の解読に夢中になっています。ポルトガル語、あなどりがたし!

 博物館、学習、といった肩ひじを張らずに楽しめるミュージアムですが、その情報量は膨大そのもの。とても軽い見学では消化できそうにありません。新しいサンパウロ市の「お気に入り」のスポットとして、知人・友人たちを案内しながらじっくりと味わっていきたい新名所です。



◇◆◇筆者プロフィール◇◆◇

岡村淳(おかむら・じゅん)

1958年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。1982年、日本映像記録センター(牛山純一代表)入社。処女作は日本テレビ『すばらしい世界旅行』の「ナメクジの空中サーカス 廃屋に潜む大群」。以降、ゲテモノおよび中南米の取材を主に担当して、大アマゾンの裸族、ピラニア、ポロロッカ等々を扱う。
1987年、フリーとなり、ブラジルに移民。
フリーの番組ディレクターを経て、1991年、小型ビデオカメラを用いたひとり取材に開眼。ブラジルの社会・環境問題、移民の記録にこだわり、作品をNHK、東京MXテレビ、朝日ニュースターなどの日本のTVメディアで発表。近年は自主制作によるドキュメンタリー作りを続けている。
自主制作の代表作に「郷愁は夢のなかで」(1998年)、「ブラジルの土に生きて」(2000年)、「赤い大地の仲間たち フマニタス25年の歩み」(2002年)、5時間15分の長編「アマゾンの読経」(2004年)など。
作品の上映には制作責任者である岡村の立会いを原則として「ライブ上映会」と呼ばれ、「ひとりでもご覧になりたい方がいればおうかがいする」という方針で、これまで日本、ブラジル、台湾、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オランダでライブ上映会を実施。
ブラジルに渡ったドキュメンタリー屋さん 岡村淳のオフレコ日記 にて、毎日更新中。

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