<第2回> 
チリ・フィヨルドクルーズ
幻想的な景色や乗客との交流を楽しむ
文/岩井加代子

 チリの首都サンチャゴから南へ1000km離れたプエルト・モンにたどり着いた。「とにかくチリの最南端まで行きたい!」という気持で、プエルト・モンからチリ最南端の街、プンタ・アレーナスまで、3泊4日のクルーズに参加した。
 プエルト・モンからプンタ・アレーナスまでは、入り組んだフィヨルドがあり、陸路で行くことはできない。南米大陸をずっとバスや鉄道を乗り継ぎ、陸の移動を続けていたため、たまには車窓からの景色以外も見てみたくなった。それになんだか“クルーズ”というリッチな響きが旅心をくすぐる。船の上から南米という大きな大陸を見つめてみるのもおもしろそうだ。クルーズといっても、料金は意外に安い。一番チープに過ごすなら、リクライニングシートで3日間過ごす方法もあったが、ちょっとしんどうそうなので、それよりもワンランク上のドミトリーのチケットを手に入れた。

 出発の日、船に乗り込もうとあたりを見渡すと、乗客のほとんどは欧米人。フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカと、様々な国の言葉が入り乱れる。どうやら日本人は私たった一人のようだ。少し心細い気もするけれど、さあ、3泊4日フィヨルドクルーズの旅へと出発だ。
  甲板に出てみたら、日が射していても思ったより風が冷たく寒さが身にしみる。船が港を離れ、航路は南へと進む。出発した港の賑やかさがうそのように、あたりは静寂の世界へと変わった。
 しばらく同じ景色が続き、まわりの風景に見なれたころ、船が突き進むその方向に小さな氷の塊が見えた。それは近づくほどに大きくなり、船体の真横に位置すると、なんと見上げるくらいに巨大なものであった。氷の塊は今まで見たことがない色をしていた。南国の透き通った青い海の色とも違う、澄み渡った青空の色とも異なる。目の前の氷は、見れば見るほど吸い込まれていきそうな神秘的な青い色をしている。よく見ると、氷はあっちにもこっちにも、小さなものから大きなものまで、形もいろいろだ。氷の群れに時間も忘れるくらいにしばらく見とれてしまう。少し冷えた体を暖めに食堂でコーヒーを飲んでいたら、ダダーッと人がデッキへ向かった。何事かと思いつられて後を追う。どうやら鯨がいたらしい。残念ながら外に出た時には鯨は海中に潜ってしまったが、船旅はまだまだ始まったばかり。また出会うチャンスもあるだろう。

  船の景色のほかの楽しみといえば、食事や乗客たちとのおしゃべりだ。乗客たちの”社交場”である食堂では、旅の体験談に始まり、自分の国や将来の夢のことを話し合っている。何日か一緒に過ごしていたら、すっかりみんな打ち解けてきたみたいだ。なかには読書をする人、日記をつける人、デッキの椅子に腰掛け、寝袋にくるまって外の景色を眺めている人もいる。みんな思い思いの時間を過ごしているのだ。
  船旅の最後の晩、アルコールもほどよくまわり、お腹も満たされるたころ、音楽が鳴り、誰かがギターを弾いてパーティーが始まった。そのうちリズムに合わせてみんなダンスを踊り始めた。イスやテーブルの上に乗り、おおはしゃぎする者、その盛り上がりぶりをビデオに撮る者もいる。乗客もチリ人の船のスタッフも一緒になって、この日の陽気なパーティーは夜遅くまで続いた。こんな楽しい時間を過ごせるのも、クルーズならではの醍醐味かもしれない。




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