南米大陸の旅

公益財団法人 日本民謡協会
ブラジル公式訪問団 参加リポート「ブラジル飛び歩る記」

<第3回>
ブラジル日本人移民最初の土地プレジデンテ・プルデンテ市での公演


七月十日(月)
 
朝ホテルを出て、国内線でサンパウロから六百キロメートル離れた、日系人が開いたプレジデンテ・プルデンテ市(以後P市)へ向かう。こちらも、二度目の訪問だ。
 
現地空港では、前回の訪問で顔馴染みとなった方々の出迎えを受け、さらに同市から十二キロメートル近郊のアルバレス・マシャード市にある日本人墓地に参拝へ。
ここには第二次大戦でブラジル兵としてイタリア戦線で戦った、日系人の英霊七八四柱が祀られている。毎年七月に開催される「招魂祭」が地域の大切な行事で、墓地に接続する公園には「忠魂碑」があった。
 
その近くには築百年以上という日本人学校の校舎が歴史遺産として残されていた。今年はブラジル移民が始まった一九〇八年から一〇九年目。サンパウロ初の日本人学校「大正小学校」は一九一五年というから、移民開始から僅か七年目で学校が建てられたことになる。この奥地でさえ、移民開始からそんなに遅くない頃に学校が作られたこととなり、日本人移民達の教育に対する熱心さ、孫に対する配慮の深さには、唯々脱帽させられた。
さらに、この地でも民謡が歌い継がれていることに感動を覚える。
 
その後、この地の日系人から「是非寄ってください」と言われ、日系会館へ行った。館内には飲物と軽食が用意され、しばし歓談の後に見回すと、黒板に何やら横文字がある。見れば、「○○ROUJINKAI」や「KAIKEIHOUKOU」などのローマ字表記。移民開始から100年が経ち、現在の日系人の中には、日本語は話せても書けない人が多いことが察せられた。
 
館内にはカラオケセットが置かれ、片隅には和太鼓もある。清野嬢が見事なバチ裁きで太鼓を打ち鳴らすと、盛大な拍手が湧き起った。
 
一旦ホテルでチェックインし、夕刻にP市の日伯文化協会会館へ向かうと、現地日系婦人達の手料理で盛大な歓迎を受けた。ご飯や味噌汁は勿論、煮物や新鮮なキュウリの漬物もあり、まるで田舎へ帰ったようだ。
 
そして、またも出ました!
並べられていたのは、大きな焼鮭の切身であったのだ。
 
七月十一日(火)
 
ホテルで朝食取っていると、日系人三名がいる。話しかけてみると、彼らは今日の我々の公演を見るために、四百キロメートル離れたマリンガ市から夜行バスで来たという。
それは有難いので、私は「チョット待って」と部屋に戻り、持参の手土産やCD等をプレゼントした。なんと、その内の一人は十月に東京で行われる日本民謡協会全国大会へ出場する代表者だった。なんと素敵な出会いか。
 
その後、本日の舞台となる文化協会会館へ到着。開会に先立ち国歌斉唱となり、何故か「君が代」がカラオケで二番奏され、我々は二回斉唱した。
次に流れたブラジル国歌が二番まで歌われたので、どうやら均衡を取った心配りらしい。
 
団長挨拶や日系のP市副市長挨拶に続き表彰式が行われ、現地会員へ賞状と徽章が授与された。その中には、「日本民謡協会P市奥地支部」を設立し、現顧問である小野忠義氏(90歳)もいらっしゃった。その後に、我々の公演だ。
プレジデンテ・プルデンテ市での公演に先立ち、奥地支部の方々を表彰

(上)プレジデンテ・プルデンテ市での公演に先立ち、奥地支部の方々を表彰 (右)「日本民謡協会P市奥地支部」を設立し、現顧問である小野忠義氏(90歳)

「日本民謡協会P市奥地支部」を設立し、現顧問である小野忠義氏(90歳)

しかし実は、事前に現地会員は伴奏者が居ないため、いつもカラオケで練習しているという話を聞いていた。そのため、生伴奏で唄わせて欲しいとの希望があったのだ。
そこで公演途中で希望者を募れば、忽ち十数名が名乗り出た。彼等の伴奏をし、民謡の歌い方指導も交えるうち、あっという間に昼食となり、又も盛大な手料理を御馳走になった。
 
午後の部は、私の虚無僧姿での演奏により開始された。残りの演目と希望者への伴奏を行ったが、終わってみれば公演演目二九曲に加え、希望者三四名の伴奏となった。訪問団唯一の尺八である私は、その間、一寸も休めず、全六三曲を奏したことになっていた。
 
終了後サンパウロ新聞の取材を受けたので「尺八は体力が要るので演奏者としては土方の様なものですヨ」と冗談めかして言うと、後日の邦字版にそのまま記載されて驚いた。

七月十二日(水)
 
P市二日目は、朝九時にホテル近くのP市庁舎を表敬訪問。市長や副市長始めお歴々と会談した。
 
当地は三十万都市で、日本移民が持ち込んだハッカ油の精製や醤油生産技術などが、街の発展に大いに寄与し、感謝されているとのこと。日本移民の方々の貢献はここでも大きいようだ。
退庁後は近くの旧日本人街を散策し、ホテルへ。
 
今日は当地を離れるため文化協会会館を訪れると、再び手料理昼食のおもてなしをいただいた。名残惜しい中、当地の皆様に別れを告げる。
 
P市よりサンパウロで乗継ぎ、リオデジャネイロには夕刻に到着。明日の休養日を挟み、その後は三番目の訪問地となるブラジリアへ向かう。ホテル着後は、イパネマ海岸沿いの「有名というシェラスコ料理店」で夕食を堪能した。
 
プレジデンテ・プルデンテ市での公演風景
プレジデンテ・プルデンテ市での公演風景

■筆者プロフィール

佐々木淙山 sozan sasaki

 

日本民謡協会全国大会専属伴奏者。民謡および都山流尺八を修行し、尺八歴50年の大ベテラン。

2008年の訪問以来、2度目の訪問。




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