ポルトガル語で、6月はJunho(ジューニョ)。フェスタ・ジュニーナ(6月の祭り)の季節です。
フェスタ・ジュニーナは6月いっぱい各地のカトリック教会で主に週末を中心に行われているお祭り。学校などでもパーティが行われるため、ブラジル人にとっては、カーニバルやクリスマスと並ぶ大きなイベントです。この時期になると、フェスタ・ジュニーナならではのカラフルな小旗の飾りつけが、いろいろなところに見られます。
色とりどりの旗の飾りつけがフェスタ・ジュニーナの目印
スーパーの飾りつけもフェスタ・ジュニーナ一色
フェスタ・ジュニーナの起源はいくつか説があるそうですが、カトリックの3人の聖人、聖ペドロ、聖アントニオ、聖ジョアンの記念日が6月にあり、これをお祝いするのがフェスタ・ジュニーナだという説が有力だそう。
結婚の聖人:聖アントニオ 記念日の6月12日は恋人の日です!
また、6月はブラジルでは収穫の時期でもあり、収穫のお祭り的な位置付けもあったりします。
そのためか、田舎の格好をした、かわいらしい衣装がフェスタ・ジュニーナの定番。チェックのシャツやドレスに麦わら帽子。女の子ならそばかすに三つ編みがあると完璧!
お店にはフェスタ・ジュニーナの定番衣装が売られています
かわいい衣装でフェスタ・ジュニーナに参加している女の子
では、フェスタ・ジュニーナではどんな催しがされているのでしょうか。
盛り上がるのは、火を囲んでのフォークダンス。
踊りつかれたら、この時期に収穫されるとうもろこしのスイーツ「パモーニャ(Pamonha)」や、栗のような木の実を使ったスイーツ「ピニャオン(Pinhão)」などの食べ物を楽しんだりします。どちらもフェスタ・ジュニーナ定番の食べ物です。
パモーニャ(奥)とピニャオン(手前)
教会で行われるフェスタ・ジュニーナは、教会の資金集めの重要なイベントでもあり、大勢の教会ボランティアの方が運営を担っています。そのためか、比較的安全で幼い子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまでみんなが楽しむことができます。
また、最近はフェスタ・ジュニーナならではの食べ物だけでなく、シュラスコやピザ、ハンバーガー、さらには焼きそば、りんごあめ、バナナチョコレートなどもあったりします。子どもが遊べるゲームもあり、まるで日本のお祭りの屋台のような雰囲気。
おもちゃの魚をつるゲームもありました!
そして忘れてはいけないのが、フェスタ・ジュニーナ定番の飲み物「ケンタオン(Quentão)」です。以前ご紹介した、さとうきびのお酒カシャーサに、シナモン、クローブ、フルーツなどを混ぜて温かくしたもの。そのほか、ホットワインである「ビーニョ・ケンチ(Vinho Quente)」も、香りがよく、夕方から冷え込むこの時期には欠かせません。
ケンタオン。なかなか強いお酒ですが、甘くて体も温まります!
すっかりフェスタ・ジュニーナを楽しんできましたが、実は子どもの為のお祭りだという印象が強かった私。小さい子どものいない我が家は、これまで一度も参加したことがありませんでした。
しかし、参加してみると、ブラジルならではの食べ物や飲み物を挑戦してみるのも楽しいですし、衣装に身を包んだ子どもたちもかわいらしく、「平和で穏やかなブラジルのお祭り」という雰囲気で、とてもステキなイベントでした。こちらに住んでいると、近所の教会でやっている場合もあるので、気軽に参加できるのもいいところ。機会があれば、是非のぞいてみてはいかがでしょうか?